膣でイケない ~ 男女ともが悩む遅漏の原因と克服法

遅漏の定義は早漏と比べると明確で、男性が”膣内でイケない”症状を指します。挿入後、女性の膣内で得られる快感だけでは射精まで至ることができず、最終的に女性の身体からペニス引き抜いて、自分の手でしごいて射精する人は、これに相当します。医学的には、これを”膣内射精障害”と呼びます。遅漏と膣内射精障害が別々のものに分類されることもありますが、臨床上はほぼ同じ意味だと考えて、一般的に遅漏は早漏に比べ深刻な悩みではないと思われがちです。

というのも「挿入時間は長いほどイイ」「早くイカないほうが女性は悦ぶ!」と考える男性が多いからですが、これはまったくの勘違いです。なかには射精を過剰なまでに我慢し”遅くイク”ことにこだわっている男性もいるようですが、女性からしてみると、とんでもなく迷惑な話。刺激があまりにも長く続くと、女性は濡れなくなります。性器は摩擦で痛み出し、全身が疲労してきます。

「彼がなかなか終わってくれないから、いつも疲れてしまう」「途中で濡れなくなるので痛くてしょうがない」― 彼女にこんな身体的な苦痛を強いていれば、次第にセックスが嫌いになってしまいます。そうまでして男らしさを誇示する必要は、これっぽっちもありません。

先に女性をオーガズムに導き、満足させること。女性がイッた後も挿入を続ける場合は、ローションを使うなどして女性の負担を軽くするよう気を配ること。この2点をクリアすれば、遅漏は無理に改善しなくてもよいのかもしれませんが、子どもがほしいと思っているカップルの場合、男性が膣内で射精できないとなると、自然な妊娠は望みにくくなります。また、男性が女性のなかで達することが満足感につながると考えているカップルも、克服を目指したほうがいいでしょう。

遅漏の原因は、主に3つ考えられます。その詳細と克服法を、それぞれ解説します。

①マスターベーションの仕方に問題がある

自分の手でしごくときにキツく握りすぎる。うつ伏せになって畳やシーツに擦りつけるようにして刺激するなど、膣内の環境とはかけはなれた刺激をぺニスに与える。こうした方法で気持ちよくなる男性は、女性に挿入しても快感を得にくく、結果、膣内で射精できなくなります。マスターベーションは、男女の別なく健全な営みです。想像力を働かせ、自分の思うままに快感を追求し、性欲を発散させるのは、とても人間的な行為といってもいいでしょう。しかし、ひとりよがりになりすぎてはいけません。強烈すぎる快感を求めたがために、パートナーとのセックスにトラブルが発生するというのは、とてももったいないことだと思いませんか?マスターベーションのクセが原因で身についた遅漏は、マスターベーションで治します。膣内と似た感触でペニスが快感を得られるよう、少しずつ慣れさせていく方法を”コンドーム・マス法”といいます。

まずはローションをコンドームのなかに数滴垂らして、膣内の濡れた粘膜に近い状態を作り出します。これを勃起したペニスにかぶせ、手で握って上下にしごいて、マスターベーションをします。ぎゅっと強く握るのは厳禁です。少し物足りないかなというぐらいのグリップ感で、射精を目指しましよう。早漏克服のセマンズ法と同様に、コンドーム・マス法も短時間で克服できるものではありません。けれど、遅漏を克服するのは、自分のためであり、そしてパートナーのためでもあると考えれば、挑戦できるのではないでしょうか。女性に負担を与えず、男性自身も達成感が得られる健全なセックスをマスターしてください。


②射精するまで腰を動かす体力がない


セックスで男性が射精をするには、自ら腰を動かしてペニスに刺激を与える必要があるため、挿入の深さやピストン運動の速さを自分でコントロールできる体位のほうがオーガズムに達しやすいといわれます。が、それを待たずして腰周りが疲れる、息が切れるなど体力に限界を感じて、ピストン運動を中断してしまう人は、この例にあたります。

健全なセックスは、健康な身体でこそできるもの。EDなどの性機能障害とメタボリックシンドロームには密接な関わりがあります。不規則な生活、バランスが取れていない食事、そして運動不足は性生活に大きな影響を与えるというわけです。日ごろからへルシーな生活を心がけ、適度な運動を続けていればEDも防げますし、遅漏も改善できるでしょう。

また、知らないうちに無駄な動きをしているというケースも考えられます。膣の奥まで深く挿入し、長いストロークでピストン運動をするのが好きな男性は多いようですが、これは効率的とはいえません。

膣のなかで最も締まるのは、入口から3分の1まで。イキたいときには浅い位置でリズミカルに動いたほうが、ペニスを確実に刺激できます。体力を消耗する前に、無事、射精できるでしょう。オーガズムを得やすいピストン運動のパターンを自分自身で研究することをオススメします。

③心の深いところで射精を恐れている

女性を妊娠させたくないと思っている、セックスに対する罪悪感や、女性器に対する嫌悪感がある ― さまざまな心的要因で快感に集中できず、オーガズムから遠ざかってしまうのが、この例です。女性は心身がリラックスし、解放されていなければ性的快感もオーガズムも得られませんが、男性も同じくらいデリケート。本人がトラウマや問題を抱えていること自体を意識していない場合も多いので、治療も時間をかけて慎重に行われます。精神科医のもとで深層心理を探るなど、多角的なアプローチをしながら克服を目指します。

カテゴリー:

返信がありません

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です